朝の挨拶問題(その1)
鞄から抜き出したIDカードをかざし、ガラスのドアを開ける。
カフェテリアに立ち寄り、やや薄いコーヒーを発砲スチロールのコップに注ぐ。忙しい1日を始める儀式のようだ。
コーヒーを片手に自席に向かって、足早に歩いていく。昨日返信し損ねたメールのことや、今月のやや鈍い成約状況への打ち手を考えながら。
長い通路の向こうからこちらに歩いてくるのは、チームメンバーのMikeだ。大学を出てすぐに入社し、まだ3年目だが、数字に強く、人当たりも良いので、マネジメントからも信頼されている。私自身も赴任当初は随分色々教えてもらった。
Mikeとの距離が近づくいてくる。長身の彼は歩くのも速い。10メートル、5メートル、2メートル。
その瞬間、目が合い、笑顔でMikeが口を開いた。
“What’s up, Yuji!”
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どうも、ゆうじです。
こんな書き出しにお付き合い頂いてすみません。
お聞きしたかったのは。こんなシチュエーションで、皆さんはどう対応されますか?ということ。
そもそも、what’s upという表現はアメリカのカジュアルな挨拶で、学校英語で習うようなものではありません。
文字通りには、「何か(新しいこと)あったかい?」とうことですから、「いやあ、今朝車のタイヤの空気圧が下がってて、慌ててガソリンスタンドで空気入れようとしたら、使い方わからなくて、むしろ空気抜いちゃったんだよ。あははは」(過去記事参照)なんて言えばいいのでしょうか。
しかし、お互い歩いてすれ違う瞬間の会話で、そんなこと言っている時間はないのです。
では、「特に無いよ」ということで、”Not Much”と言えばいいのか。
しかし、これは、朝の挨拶、ポジティブで元気よく返事したいのに、”Not Much”という覇気の無い否定表現ではなんだか座りが悪い気がするし、大きな声で言うような言葉でもないのでは、、、
という悩みから、赴任後しばらくは、冒頭のようなシーンに出くわしても、笑顔で”Good Morning, Mike”という噛み合わない返事でゴマかしていましたが、アメリカ人同士のやりとりを真似してやろうと、耳を澄ましているとこんな感じでした。ちなみにカジュアル度が増すと、what’s のwhaが聞こえません。
”t’s up Ken!”
“t’s up John!”
なんと、まさかのwhat’s up返し。文字通りの解釈では、全然意味の無い会話になってる。。
そう思って、ググってみると、まさにこれを説明する翻訳家のルーク先生の記事が。
http://www.eigowithluke.com/2012/01/whats-up/
(この英語ブログは、元から知っていましたが、海外生活に使える「生きた英語」の解説がたくさんあって、オススメです)
こういったシチュエーションでのWhat’s upは、答えを聞きたいのじゃなく、純粋に挨拶として使いっているだけなんですね。
実はこの問題、以前からネットで調べていましたが、ルーク先生の解説以外は、答えが全然見つかりませんでした。
何千万ものアメリカ人が実際に毎朝交わしているであろう挨拶を、日本人はほとんど知らない、ということになるのでしょうか。
英語って難しいなあ。
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